ダニ媒介感染症について
問い合わせ番号:14981-9215-7227 更新日:2018年 6月 4日
ダニ媒介感染症について
山林や草むらなどには、マダニ類やツツガムシ類などのダニが生息しています。
人が野外作業や農作業、アウトドアレジャー等でダニの生息場所に立ち入ると、ダニに咬まれることがあります。
ダニは感染症の原因となるウイルスや細菌などの病原体を保有していることがあり、咬まれた人が感染症を発症することがあります。国内では、日本紅斑熱やつつが虫病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ダニ媒介脳炎などの報告があります。
マダニに咬まれないように注意しましょう
「マダニ」は、固い外皮に覆われた比較的大型(吸血前で3~4mm)のダニで、主に山林や草むらなどに生息しています。
食品などに発生する「コナダニ」や、衣類や寝具に発生する「ヒョウダニ」など、家庭内に生息するダニとは種類が異なります。
春から秋にかけては、マダニの活動が盛んな時期です。
以下のことに気を付けて、マダニに咬まれないようにしましょう。
- できるだけ草むらに入らないようにしましょう。
山林や野原のほか、公園や住宅地の庭で生息している場合もあります。 - 草むらなどダニの生息地に入る場合は、長袖、長ズボン、足を完全に覆う靴下・靴、帽子、手袋を着用し、肌の露出を少なくしましょう。
- 草むらなどに直接寝転んだり、座ったりするのは止めましょう。
- 衣服の上から用いる虫除け剤の使用も有効です。
- 帰宅後は入浴し、マダニに咬まれていないか確認しましょう。
マダニに咬まれた場合
- マダニ類の多くは、人や動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日~10日間以上)吸血します。
- 無理に引き抜こうとせず、医療機関(皮膚科)で、マダニの除去や洗浄などをしてもらいましょう。
- 咬まれたのち数週間程度は体調の変化に注意しましょう。
発熱など、体調に変化がある場合、医療機関を受診し、マダニに咬まれたことを相談してください。
参考資料
主なダニ媒介感染症
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- STFSウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染します。
- 主な症状は、発熱、嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血などです。
腹痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などが起こることもあります。 - 潜伏期間(症状が出るまで)は、6~14日です。
- 西日本を中心に患者の報告があります。死亡例も報告されています。
関連通知
- 平成29年7月24日 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に係る注意喚起について(厚生労働省)(PDF/477KB)
- 平成29年10月10日 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を発症したイヌからヒトへの感染事例について(徳島県プレスリリース)(PDF/788KB)
日本紅斑熱
- 「日本紅斑熱リケッチア」という病原体を保有しているマダニに咬まれることにより感染します。
- 主な症状は、発熱、頭痛、全身倦怠感などです。
高熱の後、四肢や体幹にかゆみのない紅斑が現れます。 - 注意深く全身を探すと、皮膚にダニの刺し口が見つかります。
- 潜伏期間は、2~8日です。
- 三重県を含めた関東以西で、患者の報告があります。
ツツガムシ病
- 「オリエンティア・ツツガムシ」という病原体を保有しているツツガムシに咬まれることにより感染します。
- 主な症状は、発熱、頭痛、倦怠感などです。
高熱の後、体幹部を中心にかゆみのない紅斑が現れます。 - 注意深く全身を探すと、皮膚にダニの刺し口が見つかります。
- 潜伏期間は、5~14日です。
- 北海道など一部の地域を除き、全国で患者の報告があります。
ダニ媒介脳炎
- フラビウイルス属のウイルスによる感染症です。
- 主な症状は、頭痛、発熱、悪心、筋肉痛などです。
けいれん、めまい、知覚異常などがみられる場合もあります。 - 潜伏期間は、7~14日です。
- 国内では、北海道で患者の報告がありました。
関連通知
【国外】 クリミア・コンゴ出血熱
- クリミア・コンゴ出血熱ウイルスによる急性熱性疾患です。
ウイルスを保有しているマダニに咬まれたり、ウイルスに感染した動物の血液に触れたり、感染者の血液や排泄物に触れることで感染します。 - 発症は突発的で、重症化すると種々の程度の出血がみられます。
致命率は15~40%です。 - 潜伏期間は、2~9日です。
- 中央アジアや中東では毎年患者が発生しています。2016年にはスペインにおいて初めて患者が報告されました。
関連リンク
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