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令和5年2月 市長所信表明

問い合わせ番号:16764-3900-8418 更新日:2023年 2月 10日

 

 

 ただいま上程されました各議案等のご説明を申し上げます前に、今後の本市のまちづくりにつきまして、私の所信を述べさせていただき、続いて議案等についてのご説明を申し上げます。

 新型コロナウイルスの感染者が国内で報告されて、はや3年が経過しました。この3年間、県内唯一の保健所政令市である本市においては、保健所を中心に全職員が一丸となって、感染症対策や経済対策などに全力で取り組んでまいりました。先日、国においては、新型コロナの感染症法上の位置づけを季節性インフルエンザなどと同じ5類へ5月8日に移行する方針が決定され、家庭・学校・職場や地域といったあらゆる場面で日常を取り戻していく方向に舵が切られましたが、今後も市民の皆様が安心して地域で生活できるよう、引き続きオール四日市でウィズコロナの取り組みを進めてまいります。
 地球温暖化が一因とされる豪雨や猛暑は既に顕在化し世界的な課題となっており、近年、市内においても、これまでに経験したことのない局所的なゲリラ豪雨が確認されています。地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出削減に貢献する太陽光やバイオマスなどから作られる再生可能エネルギーへの移行が地球規模で必要となっています。
 そのため、国の地球温暖化対策計画や現在とりまとめが行われている県の地球温暖化対策総合計画を踏まえ、年度の早い段階で第4期四日市市環境計画を改定し、中間目標とする2030年における本市の温室効果ガス排出量の削減目標を見直してまいります。
 臨海部に石油化学コンビナートを擁する本市は、国や県、周辺市町に比べて、産業部門における温室効果ガスの排出量が多いという特徴があり、産業部門におけるカーボンニュートラル化が急務です。
 コンビナートに関しては、令和4年3月に「四日市コンビナートのカーボンニュートラル化に向けた検討委員会」を立ち上げ、産学官一体となった検討を行い、四日市コンビナートの将来像を共有しました。コンビナート地区が本市の産業基盤として永続的に維持・発展していくためには、カーボンニュートラル化の実現に貢献していかなければなりません。そのためには、今後発生する諸課題の解決に向けて想定される様々な投資をコンビナートに呼び込みながら、水素等新しいエネルギーの利活用をはじめ新たな産業の芽吹きを生み出してまいります。
 一方で、市民の皆様向けには、新たに水素を燃料とする燃料電池自動車の購入に対する支援を実施するとともに、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの建築などに対する支援を拡充します。
 また、公共施設においても、再エネ電力の導入量拡大に向け、太陽光パネルの設置条件を整理し導入の可能性や二酸化炭素削減に向けた検討を行います。
 四日市公害を経験し、環境先進都市を目指すという理念を掲げる本市といたしましては、市民及び事業者の皆様と協働し、温室効果ガス排出量を2050年に実質ゼロとする「ゼロカーボンシティ」をここに宣言し、その実現に全力で取り組んでまいります。脱炭素に向け、あらゆる可能性の検討を行い、できるものから着実に取り組み、2050年におけるゼロカーボンシティの実現へとつなげてまいりたいと考えております。
 全国的に少子高齢化が急速に進んでおり、国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によると、2053年に日本の総人口は1億人を切ると予想されています。少子高齢化やそれに伴う人口減少により、社会保障制度の維持や労働力の確保が難しくなるなど、様々な社会的、経済的な課題が深刻になると言われています。
 昨年の出生数が過去最低となる見込みであることを受け、国においては、「異次元の少子化対策」が打ち出される予定であり、また、県においては、「人口減少対策元年」と位置づけられた昨年から、移住促進など様々な取り組みが進められています。
 本市においても出生数は減少傾向にありますが、過去5年間のその減少幅は、全国平均や近隣の同格都市の減少幅と比べると緩やかなものとなっています。
 これまで、子育て施策の充実や雇用の確保の取り組み等、本市の魅力を高め、それを発信することにより、交流人口の増加、ひいては定住人口の増加を図るという社会増につながる取り組みに力を入れてきましたが、今後は、これまでの取り組みの更なる充実を図るとともに、若者の交流の場の創出や結婚支援など少子化対策にも取り組んでまいります。来年度は、結婚を希望する独身の方を対象にしたセミナー、出逢いイベントの実施や結婚に伴う新生活に係る費用を支援する結婚祝い金給付などの取り組みを新たに行っていきます。
 コロナ禍において、本市の行政事務の分野でもデジタル化が進み、行政手続のオンライン化による市民サービスの向上や職員の働き方改革を推進してまいりました。今後も、マイナンバーカードを利用した電子申請の導入などを順次進めてまいります。また、今年度に策定する「四日市市デジタル人材育成計画」に基づいて、職員が生き生きと仕事をし、選ばれるまち四日市を実現するためのデジタル人材の育成を進めます。
 また、近鉄四日市駅からJR四日市駅に至る中心市街地再開発プロジェクトに関しては、国によるバスタ整備、中央通りの再整備、新図書館の整備に引き続き積極的に取り組んでいくとともに、スマートシティの実現についても、中央通りの再整備に合わせて取り組んでおり、将来的には、中央通りにとどまらず、官民一体となってスマート化を市域全体へ広げ、ICT等を活用しながら様々な課題解決を行い、本市が新たな価値を生み出し続ける持続可能な都市となることを目指していきます。

 それでは、総合計画に掲げる4つの都市像を実現していくため、各分野において重点的に取り組む政策や施策について、順に私の考えを述べさせていただきます。
 将来都市像の1つ目は、充実した人生を歩むための基盤を育み、誰もが憧れる「子育て、教育安心都市」です。「子育てするなら四日市」を掲げ、様々な取り組みを実施してまいりましたが、日経クロスウーマンと日本経済新聞社が毎年実施する調査「共働き・子育てしやすい街ランキング」において、本市は年々順位をあげ、2022年の調査では全国第6位となりました。今後も引き続き四日市で子どもを産み・育てたい、四日市で学べてよかったと思える、子どもと家族にやさしいまちづくりを推進していきます。
 また、子どもの貧困対策については「四日市市子ども・子育て支援事業計画」に新しく位置づけて取り組みを進めるなど、子どもの権利保障の視点を重視しつつ、誰一人取り残すことなく、その健やかな成長を後押ししていきます。
 また、全ての妊婦・子育て世帯が安心して出産、子育てができる環境整備が必要であり、伴走型相談支援と出産・子育て応援金の給付を一体的に実施することにより、妊婦・子育て世帯に対する支援の一層の充実を図ります。
 近年、共働きの家庭が増え、保育のニーズが高まっている一方、保育の現場では慢性的な人材不足が続いています。保育枠の拡大を積極的に推進しつつ、私立保育園やこども園の保育士に就労奨励金を支給するなどして人材確保と定着に努め、令和6年4月からの育休退園制度廃止を目指します。
 また、本市の就学前教育と保育をめぐる諸課題を解決していくためには、少子化の流れを踏まえた需給見通しや地域バランスを考慮しつつ、共働き子育て世帯のニーズに対応できるこども園づくりを推進していく必要があると考えており、子どもがお互いに関わり合いながら遊び、学び合うことのできる集団規模を維持するためにも、公立の幼稚園及び保育園を計画的に認定こども園へ移行していきます。併せて、就学前教育、保育の質の更なる向上を図るため、本年4月、橋北交流会館に幼児教育センターを開設します。センターでは、市内公私立各園に対し、幼児教育アドバイザーがアウトリーチ型で支援を行うなど、丁寧なサポートを行っていきます。
 いじめ対策といたしましては、青少年育成室におけるいじめ相談体制の強化を図り、学校や教育委員会ではない第三者の立場から、いじめ相談窓口の周知を図っていきます。
 本年4月1日、子どもが自立した個人として権利保障され、等しく健やかに成長できる社会の実現を目指し、国において、こども家庭庁が創設されます。これまで以上に、子どもに係る施策が充実することが想定され、国の動向を注視してまいります。
 小中学校においても、先行きの予測が困難な社会環境の中にあって、これからの未来を生きる子どもたちが、自らの人生を切り拓き、生き抜くことができるよう、様々な教育環境を整えていく必要があります。
 令和2年度以降、一人一台タブレット端末などICT機器の整備を加速させてきました。今後も、ICTを効果的に活用し、個に応じた指導や対話的な学び合いを進めるとともに、家庭や地域社会と連携した教育を充実させていきます。また、本年4月には、農業センターと同じ敷地内に四日市市学校給食センターがオープンします。栄養バランスに優れる魅力的な中学校給食を提供し、食育や地産地消を推進していきます。
 子ども一人ひとりに寄り添い、誰一人取り残すことのない支援体制づくりも継続していきます。スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーの配置拡充、アプリによるいじめ相談の体制強化、校内ふれあい教室の拡充などに取り組むことにより、子どもたちをめぐる様々な問題解決を目指す「チーム学校」の更なる充実を図ります。
 休日の部活動地域移行については、少子化の進展による学校規模の縮小により、部活動数の減少や複数顧問の配置ができない現状を踏まえ、将来にわたり生徒がスポーツ・文化芸術活動に継続して親しむ機会を確保することができるよう、引き続き、部活動指導員・協力員を配置するとともに、総合型地域スポーツクラブや各競技団体との連携を図り、休日に子どもたちが意欲的に参加できる活動の場を確保してまいります。
 また、学校内と家庭内の両方で子どもたちの学習支援を行うため、電子端末を利用した読書環境を整備します。さらに、実際に図書館まで出向かなくても図書が借りられるなど市民の皆様の読書環境向上を図るため、電子書籍を導入してまいります。
 次に文化の分野においては、先人から受け継いできた財産を四日市の誇りとして魅力発信するとともに、次世代へ確実に引き継いでいきます。
 今年度、約3年ぶりに開催された大四日市まつりは、賑わいや交流機会の創出に加えて、文化継承という点においても大きな意味がありました。また、令和5年度には第60回の節目を迎えるため、地元自治会や出演団体、観光協会など関係者と連携して第60回大会記念事業を実施します。
 文化の継承に関しては、耐震補強復原修理工事が完了した市指定文化財「旧四郷村役場」について、展示環境を整え、建物の価値や魅力を伝える施設としてリニューアルするとともに、開館30周年を迎える博物館については記念事業を実施します。一方、文化・芸術の振興に関しては、本市の文化政策を推進するため今年1月に採用したアートディレクターが中心となって、文化会館や三浜文化会館の事業展開をより効果的に行うなど、文化芸術に触れる機会を多くの方に提供していきます。また、生の演劇表現を間近で鑑賞する機会を子どもたちに提供するなど、豊かな感性の涵養と次世代の文化の担い手育成にも資するよう努めてまいります。
 スポーツの分野においては、「生涯スポーツ社会」の実現を目指し、三重とこわか国体・三重とこわか大会のレガシーを活用して、県と協調しながら大規模なスポーツ大会の誘致を行うなど、スポーツの振興に努めます。
 令和6年秋から令和7年春の開催を目指して四日市ハーフマラソンの準備を進めるとともに、引き続き機運を盛り上げる取り組みとして、コンビナート夜景ランを実施します。また、老朽化したスポーツ施設の整備に関しては、温水プール建て替えの実施設計をはじめ、三滝テニスコートの改修工事、四日市ドーム整備に係る基本計画策定などを計画的に進めてまいります。
 観光分野においては、水沢もみじ谷や宮妻峡など本市が有する観光資源について、魅力を高めるための改修や整備等に計画的に取り組み、一層の誘客促進を図ります。
 これら文化、スポーツ、観光に係る事業を相互に連携させ、さらに情報発信することにより、更なるシビックプライドの醸成を図ってまいります。

 将来都市像の2つ目は、東海地域をリードし、地域社会のイノベーションを誘発する「産業・交流拠点都市」です。都市機能の集積と高次化、近未来技術の社会実装を進め、人の交流が仕事や魅力を生みだす好循環のまちづくりを推進しています。
 多様な企業が集積する本市周辺においては、現在、リニア中央新幹線を始め、東海環状自動車道や北勢バイパスなどの高規格道路網の整備が進められており、将来的に、各方面からの飛躍的なアクセス向上が見込まれます。アクセスが容易になれば、市場拡大などビジネスチャンスが拡がってまいります。
 こうした中、本市の産業を今後も維持・強化するためには、生産性向上を目的とした積極的なデジタル・トランスフォーメーションを推進しつつ、企業の投資を促進するなどして、競争力を高めていく必要があります。そうしたことから、IoT等活用人材育成事業を継続するとともに、積極的なデジタル人材の育成支援にも努めてまいります。また、新技術や新製品の開発等に取り組む中小製造者を対象に、今後も既存事業の高付加価値化や成長産業分野への参入を促進します。カーボンニュートラルに取り組むコンビナート企業に関しては、新エネルギーの利活用、新素材の供給等、新たな取り組みに対して支援してまいります。さらに、じばさんにおける、市内事業者の総合的な支援を行う新たな「産業拠点施設」に関しては、今年度の検討委員会における検討結果を踏まえ、基本計画を策定します。
 また、四日市市土地開発公社の解散、清算結了に伴い市が引き継いだ土地のうち、新保々工業用地については、素地売却を行うことで、民間活力を導入した新たな産業用地の確保を図ってまいります。
 農業の分野においては、「儲かる農業、強い農業、新しい農業、生活の中にある農業」の拠点として、本年4月、新しい農業センターをオープンします。給食センターと連携しながら地産地消や食育を推進するとともに、設置した気象センサーから取得したデータを活用して、スマート農業の普及にも取り組んでいきます。
 さらに、地域農業の担い手の経営を継承する後継者を支援したり、新規就農者や企業に対して設備等の初期投資へ補助を行ったりするなど、継続して次世代農家を育成します。また、農産物の価値を上げるため、生産だけでなく、加工、流通、販売にも取り組む農家も応援するとともに、農地の集積や大規模化を推進するため、水田の畦畔除去などの支援を行ってまいります。
 四日市港に関しましては、耐震強化岸壁である81号岸壁の工事が進んでおります。この整備事業は国直轄事業として採択を受けておりますので、工事に遅れが生じないよう、令和8年度の暫定供用に向け、四日市港管理組合を通じて今後も整備を促進してまいります。
 また、四日市地区においては、昨年10月に関係者とともに実施し、多くの参加者で賑わった「BAURAミーティング」を引き続き実施するとともに、老朽化・遊休化した千歳運河沿いの物揚場については、事業費を拡大して、景観に配慮した護岸改修を実施してまいります。今後も、みなとまちづくりプランの早期実現に向けて、四日市港管理組合や三重県と協議を重ねるなど関係者とともに取り組んでまいります。

 中心市街地再開発プロジェクトに関しましては、近鉄四日市駅西側部分から工事が始まっており、今後本格化する国の直轄事業「バスタ四日市」の整備とも歩調を合わせながら、近鉄四日市駅の東側において、中心市街地の新しいシンボルとなる円形デッキの整備や国道1号からJR四日市駅にかけての工事に着手するとともに、これらにあわせ、スマートシティ機能を支えるローカル5Gなどの情報基盤整備にも取り組んでまいります。また、昨年の秋に実施した賑わい創出社会実験「はじまりのいち」を受け、Park-PFI制度を活用した官民連携によるまちづくりにも取り組んでまいります。
 中心市街地の拠点となる滞在型の新図書館については、昨年8月に近鉄グループと合意した、スターアイランド跡地への新図書館整備に関する協議内容に基づき、次のステップである基本設計の実施に向けて最終的な協議を重ねており、できるだけ早期に着手してまいります。
 JR四日市駅前には、産業界からも要望のある、地域で活躍できる人材の育成を目的にした大学の設置を目指し、大学像等の基本構想を策定してまいります。また、国道23号を越えて四日市港へと通じる自由通路に関しても、「みなとまちづくりプラン」における取り組みとも連動させながら概略設計を実施します。
 道路の整備については、慢性的な渋滞や朝夕を中心とした渋滞を解消するため、小杉新町2号線や垂坂1号線の整備を進めるとともに、渋滞ネック箇所の改良に向けて西阿倉川62号線や霞ヶ浦垂坂線などの交差点改良に引き続き取り組んでまいります。
 国道1号、23号からの交通分散、ハイテク工業団地周辺の渋滞緩和に寄与することが期待される北勢バイパスの整備について、国道477号バイパス以南の整備や現在開通している区間の4車線化について、早期実現に向けて国に働きかけてまいります。
 また、あすなろう鉄道、こにゅうどうくんライナー、自主運行バス、デマンドタクシーなどの公共交通ネットワーク維持を図るとともに、バス利用者の利便性向上を図るため、新たにバス事業者を対象とした補助制度を創設し、バス待ち環境を改善する事業を支援していきます。
一方、自動運転やパーソナルモビリティの実装に向けた検討を引き続き行ってまいります。

 将来都市像の3つ目は、まちの未来を守り、将来の市民にバトンをつなぐ「環境・防災先進都市」です。豊かな環境を基本とした都市整備と防災力強化を両輪に、快適性と安全・安心が高い水準で保たれたまちづくりを推進しています。
 環境分野においては、先ほど冒頭で触れましたとおり、ゼロカーボンシティの実現に向けた積極的な環境施策を講じてまいります。
 また、里山保全などを図りながら、自然の景観保全にも努めていくとともに、2030年度までに国土の30%以上を自然に優しい管理がされたエリアにするという国際的な動きを踏まえ、本市の貴重な自然海岸として保全活動が行われている吉崎海岸を国に申請し、環境保全活動の輪を拡大していきます。
 ごみ減量の施策としては、生ごみ減量化のモニタリング業務や食品ロス削減に係るマッチング業務を新たに実施するなど、引き続きごみの減量に取り組んでまいります。
 一方、水道事業に関しては、人口減少による需要減が見込まれる中においても、安全で良質な水道水を確保し、将来にわたり安定的に事業を継続していく必要があります。水道管等施設の老朽化については、第3期水道施設整備計画に基づいて長寿命化を図るとともに、官民連携を進めながら効率的に対処していきます。
 全国的にも懸念される水道技術の継承については、研修等を通じた職員の知識・技術力向上に努めつつ、業務を行う中で職員が得た知識を組織全体で共有して活かすナレッジマネジメントにも取り組んでまいります。
 また、下水道事業に関しては、生活排水処理施設整備計画に基づいて令和7年度の市街化区域の汚水処理概成を目指すほか、老朽化対策としては使えるものは長く使うという考えのもとストックマネジメント計画に基づき、効率的な更新を行っていきます。雨水対策事業については、多額の費用と長い年月を要することから、雨水管理総合計画に基づき、費用の平準化を図りながら計画的に実施していきます。
 防災分野においては、災害の未然防止に努めるとともに、災害による被害を最小限にとどめるため、常日頃からの備えが重要となります。
 避難所環境の整備に関しては、組み立て式の給水タンクを一部防災倉庫に新しく配備するほか、新型コロナウイルス感染症対策も考慮した物資・備蓄調達計画に基づいて、プライベートルームやエアーマットなど必要な備蓄品を確保します。また、生活用水を確保するための防災井戸の設置、避難所のWi-Fi環境の整備を進めます。
 また、大規模災害発生時には周辺市町との連携や協力が不可欠となることから、広域避難等相互応援に関する協定を三重郡3町と締結しました。今後は、広域避難実施に関する具体的な内容の協議を行ってまいります。
 危険を感じたらご自身の判断で、命を守る行動をとるという住民主体の行動を促進し、防災を日常的に考えることができるよう、全ての世代への効果的な防災教育を行うと同時に、的確かつ迅速に防災・減災情報を提供していきます。平成27年に発行して好評をいただいている家族防災手帳をリニューアルし、防災教育教材としても利用することにより、自助の考え方の更なる周知を行います。また、防災情報の発信については、多言語版のハザードマップを新たに作成するなどより多くの方への周知を図っていきます。
 全国でも頻発している降雨災害への対策に関しましては、市内の大規模盛土造成地を対象にした滑動崩落の危険性調査を実施し、必要な対策を検討してまいります。また、被災者支援システムの導入検討やマイナンバーカードの利活用の調査研究なども継続してまいります。
 消防分野については、今年度、高規格救急車に設置した機器を通して、リアルタイムに現場や傷病者の状況を伝送するシステムについて、市立四日市病院と連携して実証試験を行いました。今後は、連携する医療機関を拡大して本格稼働に向けて取り組んでまいります。また、老朽化等に伴う消防指令センターのシステム更新にあたっては、最新技術の導入を視野に入れ、実施設計を行います。
 また、消防活動拠点の充実を図るため、北西出張所の建築工事を開始し、今年度に用地取得を前倒しした西南出張所は実施設計を行っていきます。北消防署併設の防災教育センターについては、複雑多様化する災害に対応する体験型施設として令和6年度のリニューアルオープンを目指し、改修を進めるとともに、地震体験車を導入するなど設備等を刷新します。

 将来都市像の4つ目は、本市に集まる人々の力を、まちづくりの原動力にする「健康・生活充実都市」です。生涯にわたり健康で、暮らしの中で楽しみと幸せを実感できるまちづくりを推進しています。
 住環境の維持・向上を図るための取り組みとして、空き家の除却に伴う土地の固定資産税上昇に対する支援や、空き家・空き地バンクへの登録を促すなど、住み替え支援を引き続き行っていきます。また、市内の賃貸住宅や市外から一戸建て中古住宅に転居した子育て・若年夫婦世帯に対して行ってきた住み替え支援については、特定の住宅団地や既成住宅地だけでなく、対象区域を拡充します。
 また、市街化調整区域の既存集落の維持・活性化を図るため、取り組み体制を強化し、空き家の賃貸住宅利用を進めるとともに、地域の自然や農産物を活用した飲食店や農産物直売所としての空き家の貸し店舗利用等に向けた制度づくりに取り組んでまいります。
 安心を築く防犯への取り組みとしては、特殊詐欺や悪質な電話勧誘などから高齢者の被害を未然に防止するため、固定電話への自動通話録音警告機の設置を支援してまいります。
 女性活躍の推進としては、育児中や介護中でもオンラインで収入が得られるよう、就労支援につながるデジタルスキルを学ぶ機会を提供する事業を新たに実施します。
 またグローバル化の社会において、国籍や文化の違いを豊かさとして活かし、すべての方が支え合って暮らす多文化共生社会の実現に向けて引き続き取り組んでまいります。また、姉妹都市であるロングビーチ市とは提携60周年を迎えることから、ロングビーチ公園への遊具設置や記念イベントなどを実施するとともに、天津市やベトナムハイフォン市とは引き続き交流を行っていきます。今後も、国際性に富んだ地域社会の形成を図ってまいります。
 続いて、健康と福祉に関する分野ですが、まず、感染状況が長期化している新型コロナウイルス感染症への感染対策としては、重症化リスクの高い陽性者に対して、感染症法に基づく積極的疫学調査を迅速に行うことで、療養期間中に適切な医療が提供できるよう引き続き取り組んでいきます。また、保健衛生担当部長を配置し、複雑・多様化する保健衛生に係る市民ニーズへ対応してまいります。
 健康維持の推進のために「歩く(ARUKU)」から始める健康づくり事業を継続するなど、家庭や職場、地域の中で楽しみながら、市民の皆様が生涯にわたって健康づくりに気軽に取り組める環境づくりを進めていきます。また、こうした取り組みにより生活習慣病の疾病予防、重症化予防を図るとともに、がんの早期発見に向けて、働く世代など早い段階からがん検診受診を習慣化できるように取り組んでまいります。
 高齢者の元気づくりを図るためには、健康診断未受診等により健康状態が不明な方を訪問して健康状態の把握や保健指導等を行う事業の拡充や、地域の通いの場等で実施される介護予防活動を支援するため、引き続き専門職を積極的に派遣するなど介護予防のための施策を充実させます。昨年8月に行った認知症フレンドリー宣言の通り、認知症があってもなくても、誰もが暮らしやすいまちの実現を目指し、民間企業との連携体制の構築、認知症カフェの拡充などを積極的に行ってまいります。さらに、誰もが自分らしくいきいきと暮らせるよう、新たに整備する介護予防等拠点施設においては、認知症の人を支えるための相談支援をはじめ、フレイル傾向にある高齢者に対する生活機能維持向上のための介護予防プログラムなどについても実施していきます。
 また、地域に暮らす誰もが、様々な課題を抱えながらも住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう、地域住民等が支え合う「地域共生社会」の実現に向け、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応できる重層的な支援体制の整備に取り組みます。
 本市の福祉分野における高齢者、障害者、子育て、保健医療など各分野における施策を推進していく上で、共通する考え方やその基本的な方向を定めるため、令和6年度から令和10年度までを計画期間とする「第5次四日市市地域福祉計画」を策定します。また、「第9次介護保険事業計画・第10次高齢者福祉計画」などの個別の計画についてもそれに合わせて策定してまいります。
 移転を検討している衛生検査施設については、鈴鹿山麓リサーチパーク内で整備するための実施設計を行います。
 医療分野については、市立四日市病院において、これからも安全・安心な医療を提供するために施設の老朽化対策を行うとともに、患者支援のための入退院部門設置や院内セキュリティ対策強化などを主な内容とした大規模改修工事に本格的に着手し、医療環境を改善していきます。また、第4次市立四日市病院中期経営計画を見直し、病院職員の働き方改革や新しい感染症への対応などにも取り組んでいきます。

 様々な政策や施策を展開していく上で基本となる都市経営の土台や共通課題についても引き続き取り組みを進めてまいります。
 将来にわたり、本市が持続可能なかたちで行政サービスを提供していくには、AI、RPAなどの先端技術を活用するなどして業務の効率化と省力化を行う必要があり、今後は、現在の業務を整理・分析し、その内容やプロセスを見直し、再構築を図ってまいります。また、地域課題への対応を官民連携で分析・解決できる環境を整えるため、行政や民間のデータを蓄積するデータプラットフォームを今年度整備し、その後はより多くのデータを集めてオープン化を図るなどの取り組みを進めます。
 シティプロモーションに関しては、都市イメージの向上やシビックプライドの醸成を図るため、名古屋圏における四日市の魅力発信に力を入れていくほか、新型コロナウイルス感染症の影響で延期となっていた東海・北陸B1グランプリを令和5年11月に開催してまいります。また、ウィズコロナ時代にあって民間で実施されるイベントに対しても積極的に支援していきます。
 また、ふるさと応援寄附金に関しては、寄附受入額と個人市民税税額控除額との差額が拡大している状況を改善するため、ポータルサイトの拡大や旅先での納税などの施策を充実するとともに、商品の企画やマーケティング経験を有する人材を新たに配置するなどの体制強化を図り、ふるさと納税額の拡大に取り組んでまいります。
 持続可能性を重視するという観点からは、東海エリアにおける西の中枢都市として地域を牽引するため、本市は都市機能の集積と高次化を図っています。市域という枠組みにこだわらず、周辺市町とも連携、協力しながら、本市の関係人口や交流人口を増やすことにより、元気都市四日市としての存在感をさらに高めてまいります。また、中心市街地再開発プロジェクト、ふるさと納税への対策など推進するべき重点的な取り組みが多い中において、当面の間は、中核市移行の時期を見送ってまいります。

 人口減少、少子化社会の到来に加え、世界規模で発生する大規模な自然災害や新型コロナウイルス感染症の流行、ロシアのウクライナ侵略など、昨今の社会経済情勢は、極めて不安定で予測が難しい状況となっていますが、こうした中においても、本市は積極的な事業展開を図ってきたものと思っております。令和5年度においても、このような目まぐるしい世の中の変化に対応し、攻めの姿勢を崩さずに、市民の皆様にたくさんの元気や勇気を与えられる取り組みを展開してまいります。
 本市は、強固な産業基盤、公共交通機関や道路網の充実などの非常に高いポテンシャルを有しています。その可能性を最大限に活かして、様々な機会を創出し、着実な成長を遂げていけるまちづくりを推し進めていきます。
皆様方には、格別のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

 

このページに関するお問い合わせ先

政策推進部 秘書国際課
三重県四日市市諏訪町1番5号(本庁舎8F)
電話番号:059-354-8111
FAX番号:059-354-3974

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